知っているようで知らない「夏至の日」とは?

「夏至って何となく聞いたことはあるけど、実はよく知らない…」
そんなふうに感じたことはありませんか。
1年の中で最も昼の時間が長くなる夏至。
日本各地や海外でも、夏至の日に合わせた風習が行われています。
そこでこの記事では、知ってるようで知らない夏至の意味や楽しみ方をご紹介します。
夏至とは?2025年の夏至はいつ?
夏至(げし)とは、1年の中で最も昼の時間が長くなる日のことを指します。
2025年の夏至は、6月21日(土)です。
夏至の特徴
夏至は、日本を含む北半球では太陽が一番高く昇り、日照時間が最も長くなります。
気温や湿度も高くなるため、夏の訪れを感じられるでしょう。
北極圏では白夜となり、太陽が一日中沈まない現象も見られます。
一方で、南半球ではこの時期が冬至にあたり、昼の時間が一番短くなります。
二十四節気とは?
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、太陽の動きを基に1年を4つに分けて、さらに6つに分けて24の季節にした、古代中国で発祥した暦のことです。
現代のようにカレンダーがなかった時代、人々は自然の変化を頼りに暮らしていました。
太陽の位置に基づいて、季節の移ろいを把握するために、二十四節気が生まれたと考えられています。
二十四節気には「夏至」や「冬至」のほか、「春分」「秋分」「立春」「立秋」など、耳馴じみのある暦があります。
それぞれが農作業や衣替え、行事の目安となり、日本でも古くから暮らしの指針として取り入れられてきました。
現在でも、暦や天気予報、行事予定などに活用されています。
日本の夏至「夏越の大祓」
日本の夏至の時期には「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」と呼ばれる神事が各地の神社で行われます。
1年の半分を無事に過ごせたことに感謝し、知らず知らずのうちに身についた罪や穢れを祓い清め、後半の健康と災厄除けを祈願する儀式です。
6月末に行われることが多く、茅(ちがや)で作られた大きな輪「茅の輪(ちのわ)」をくぐることで厄を落とすとされています。
現代でも、多くの神社では夏越の大祓が行われています。
日本の夏至のお祭り
日本では、夏至に行われているお祭りがあります。
ここでは、三重県と北海道の夏至祭を紹介します。
🔸三重県二見興玉神社の夏至祭
三重県伊勢市の二見興玉神社で行われる夏至祭は、夏至の日に太陽の恵みに感謝し、心身を清める神事です。
古くから「禊浜」として知られる夫婦岩付近で、参拝者が海に入って禊を行います。
夏至の日の朝、夫婦岩の間から昇る朝日を浴びながらの禊は神聖な体験とされ、晴天時には富士山の背から昇る太陽も拝める貴重な瞬間です。
🔸北海道当別町の夏至祭
北海道当別町の夏至祭は、スウェーデンの伝統行事を再現したお祭りで、2025年には第40回を迎えます。
2025年は、6月22日(日)に行われます。
姉妹都市であるスウェーデン・レクサンド市との交流を記念して始まったものです。
会場ではマイストング(夏至柱)と呼ばれる季節の草花で飾られた大きな柱を立ち上げます。
また、フォークダンスやコンサート、スウェーデン料理の提供などもあるため、毎年多くの来場者が訪れる人気のイベントです。
世界の夏至
次に、世界では夏至をどのように過ごしているのか見ていきましょう。
🔹スウェーデンの夏至
スウェーデンの夏至(ミッドサマー)は、冬が長く日照時間が短い北欧において、太陽の恵みを祝う重要な伝統行事です。
6月中旬の金曜日に夏至前夜祭が行われ、翌土曜日には本祭が開催されます。
人々は草花で飾られたマイストング(夏至柱)を囲んでフォークダンスを踊り、ニシンの酢漬けや新じゃが、ストロベリーケーキなどの伝統料理を楽しみます。
家族や友人と過ごす特別な時間として、スウェーデンの人々にとって欠かせない夏の風物詩となっています。
🔹イギリスの夏至
イギリスの夏至祭は、南部ウィルトシャー州の古代遺跡ストーンヘンジで祝われる伝統的な行事です。
夏至の日には、ストーンヘンジの外側に並ぶ石と、その中心にある祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇ります。
毎年6月21日頃、数千人の人々が集まり、日の出を見守りながら夏至の特別な日を祝います。
まとめ
夏至は、1年で最も昼の時間が長くなる特別な日です。
太陽の恵みに感謝し、自然とのつながりを感じられる節目として、世界各地でさまざまな行事や風習が受け継がれています。
日本でも神社の神事、夏越の大祓や、北欧の文化を体験できる夏至祭が行われています。
忙しい日常の中で、季節の変わり目を意識する機会は意外と少ないもの。
だからこそ、夏至の日をきっかけに、少しだけ足をのばして自然や文化に触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
今度の夏至には、ちょっと特別な一日を計画してみてください。