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2025 Jul
12
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【熊本の猛暑対策】夏でも涼しい家をつくる住宅設計ポイント《7選》

熊本の夏は、日差しの強さと湿度の高さで全国的にも「過酷な猛暑地域」として知られています。


そんな中で住宅を建てるなら、「夏でも快適に過ごせる家」であることが非常に重要です。


この記事では、熊本市で注文住宅を検討している方に向けて、猛暑でも涼しく快適に過ごせる住宅設計のポイント《7選》をご紹介します。


地域特性を踏まえた設計上の工夫から、住み始めてからの対策まで、専門的かつ実践的な情報をお届けします。

熊本の夏はなぜ暑い?住宅設計に影響する地域特性

熊本市は、7月~8月にかけて最高気温35℃を超える日が続く「猛暑日」常連エリアです。


加えて、阿蘇山系の影響によって湿度が高く、熱がこもりやすいのも特徴です。


このような環境では、通常の設計では冷房負荷が非常に高くなり、冷房費が年間の光熱費の大半を占めるケースも珍しくありません


したがって、設計段階から“熊本の猛暑に対応する家づくり”が不可欠です。

夏でも快適に過ごすための住宅設計ポイント《7選》

熊本の猛暑に対応するために有効な住宅設計の工夫を7つ厳選してご紹介します。

1. 日射を遮る深い庇(ひさし)と軒の設計

直射日光が室内に入ると、床や家具が熱を持ち、室温が急上昇します。


これを防ぐのが庇(ひさし)や軒の設計です。

🔸日射遮蔽の重要性と設計時の目安

特に南向きの窓には、60~90cm以上の庇を設けることで、夏の高い太陽角度に合わせてしっかりと日射を遮ることができます。


冬の低い角度では光を取り込めるため、パッシブデザインの基本として非常に有効です。

2. 断熱性の高い屋根・外壁材を選ぶ

熊本の強い日差しは屋根や外壁に直撃し、建物全体が“熱のカプセル”状態になることも。断熱材の性能がそのまま住環境に直結します。

🔸断熱材の種類と費用感

・グラスウール(費用◎、性能◯)

・高性能ウレタンフォーム(費用△、性能◎)

・セルロースファイバー(自然素材、調湿機能あり)

地域型住宅グリーン化事業やZEH基準をクリアする断熱性能(断熱等性能等級5以上)を目指すことで、補助金対象にもなります

3. 熱を通しにくい窓(Low-E複層ガラスなど)を採用

窓は建物の“熱の出入口”。夏は約7割の熱が窓から侵入するとされており、ここをどう防ぐかがカギとなります。

🔸Low-Eガラスとは?

Low-Eガラスとは、特殊金属膜をコーティングした複層ガラスで、日射を反射しつつ断熱性を高める優れた建材です。

📎 参考:https://shinku-glass.jp/contents/knowledge/lowe-eco/

複層ガラス+樹脂サッシの組み合わせにより、冷暖房費を年間で15%以上削減できるケースもあります。

4. 風通しの良い間取りと通風設計

自然の風を活かす設計は、猛暑対策においてとても重要です。


空気がこもらず、夜間の冷気を取り入れやすくすることで、室温を大きく下げることができます。

🔸通風シミュレーションのすすめ

・各部屋に「給気口」と「排気口」を設ける

・南北に窓を配置して“風の通り道”を確保する

・スリット窓や地窓を活用して風を分散

設計段階での通風シミュレーションにより、最も効率的な開口部配置を割り出せます。

5. 高気密・高断熱な住宅性能の確保

単に断熱材を使うだけでなく、隙間風を防ぐ気密性もセットで考える必要があります。


熊本のような高湿度地域では、外気の湿熱が侵入しにくい構造が快適性を左右します。

🔸ZEH(ゼロエネルギー住宅)対応のすすめ

高気密・高断熱+省エネ設備により、年間のエネルギー消費を大幅に削減


国や自治体の補助金対象となるケースも多く、経済的にもメリットがあります。

6. 床下・屋根裏の換気でこもった熱を排出

屋根裏は50℃以上になることもあり、その熱が天井を通じて室内に伝わるのを防ぐには、換気が重要です。

・軒裏換気口や小屋裏換気扇の設置

・床下通風で湿気と熱を逃がす

これにより、家全体の“熱の抜け”が改善され、冷房効率がアップします。

7. 冷房効率を高める空間ゾーニング

広いLDKや吹き抜けは開放感がありますが、空調効率が下がりがちです。


冷やす空間とそうでない空間を分ける「ゾーニング設計」で冷房効果を最大化できます。

・必要に応じて建具や間仕切りを活用

・生活スタイルに合わせた空間の切り分けが重要

設計だけじゃない!住んでからできる暑さ対策アイデア

・外付けシェードやすだれで直射日光を遮る

・室外機周りに日陰を作ると冷房効率アップ

・サーキュレーターで空気循環を改善

・夜間に窓を開けて熱を逃がす「夜間通風」

これらは建てた後でも実践できる手軽な対策です。

猛暑に強い家を建てるための注意点とアドバイス

土地選びの段階から通風・日射条件を確認する

・地元の気候を熟知した設計者・施工会社を選ぶ

・住宅性能の「断熱等級」「気密性能」などをしっかり確認

・見た目より“性能”重視で判断を

また、国土交通省や熊本市の住宅支援制度を活用することで、金銭的な負担を軽減できる可能性もあります。

📎 熊本市住宅支援制度(外部リンク):https://www.city.kumamoto.jp/

まとめ|熊本で後悔しない家づくりは「暑さ対策」がカギ

熊本の猛暑に対応する家づくりは、快適性と省エネ、そして健康を守るという観点から非常に重要です。


この記事でご紹介した《7つの住宅設計ポイント》を意識することで、建ててから後悔しない、涼しくて快適な家が実現できます。


これから家づくりを考える方は、ぜひ設計者との打ち合わせの中でこれらの要素をチェックしてみてください。


熊本の夏を「快適に」「安心して」乗り切れる住まい、私たちと一緒につくっていきましょう。